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植杉 学

家族の距離感がちょうど良くなる、間取りの工夫

「家族の気配を感じられる家にしたい」というご要望は多いです。

一方で、ここ数年は「自分一人の時間も大切にしたい」というご要望も増えました。

 

コロナ過時代、家で過ごす時間が長くなり、ずっと家族と一緒にいすぎることが、かえってストレスになってしまう話もよく聞きました。
そんな中、家族の温かさを感じつつ、心地よい距離感を保つにはどうすればいいか。

 

「つながり」と「区切り」を共存させる

結論から言うと、「オープンな空間の中に、小さな隠れ家を作る」ことが、今の暮らしには一番フィットすると感じています。

ただ広いLDKを作るのではなく、視線や音がゆるやかに抜ける工夫をしながら、同時に「ここは自分の居場所」と思える仕掛けを組み込むことがポイントです。

 

家族の気配をデザインする手法

気配を感じる間取りの代表的な例です。

  • 吹き抜けとリビング階段 上下階で会話ができなくても、1階の物音が2階に伝わるだけで「誰かいるな」という安心感が生まれます。

  • 対面キッチンと一体型のLDK 料理をしながら子供の様子が見えたり、テレビの音を共有したり。日常の風景が自然に混ざり合います。

  • 室内窓の設置 壁で仕切るのではなく、ガラス越しに隣の部屋の明かりが見える。これだけで閉塞感がなくなり、家族の存在を優しく感じられます。 

「逃げ場」としての別フロアという選択

コロナ禍を経て、家は「くつろぐ場所」であると同時に「仕事をする場所」「一人で集中する場所」にもなりました。

ずっと同じ空間にいると、どうしても相手の些細な行動が気になってしまうものです。

だからこそ、メインのリビングとは別に、ちょっとしたヌック(こもれる小空間)や、デスクスペースを設けることも一つの手です。

また、あえて「別のフロア」に自分だけの居場所を作るのはとても有効です。

階段を上がる、あるいは下りるという動作ひとつで、気持ちをパッと切り替えられます。

同じ家の中にいながら、物理的な距離を置ける場所がある。

この「逃げ場」の存在が、心のゆとりを生んでくれます。

 

居心地の良さはバランス

家族が集まる場所はとびきり開放的に。 でも、ふと一人になりたい時に逃げ込める場所もちゃんとある。

このバランスが取れていると、家の中の空気はぐっと柔らかくなります。

せっかくのマイホームですから、誰にとっても「自分らしくいられる場所」であってほしいなと思います。

 

まとめ

家族を感じられる安心感と、自分を守るための静かな時間。

どちらか一方ではなく、両方を欲張ってみてください。

その「絶妙な距離感」こそが、長く住み続ける家を心地よくする方法の一つでもあると思います。

家族の変化に合わせて、使い方も変えていけばいい。

そんな柔軟な気持ちで、家づくりを楽しんでもらえたら嬉しいです。

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