移住して思うこと。

ここ数年、県外から「山梨に移住したくて…」とご相談に来てくださる方が増えました。
話を聞いていると、みなさんそれぞれの理由を持ちながらも、共通しているのは——山梨の“心地よさ”に惹かれていること。
実は私も移住組。
実家は八王子で、限りなく山梨に近い東京育ちですが(笑)
山梨に来る前は仕事で群馬にいて、山々に囲まれた暮らしの良さも少し知っていました。
それでも
山梨で暮らし始めた時、いちばん最初に「違う」と感じたのは、景色の“抜け方”でした。
山梨の良さは本当にたくさんあります。
水がおいしい、空が広い、季節の色が濃い、人があたたかい。
でも、移住してみて、そして住宅づくりに携わるようになって、いま改めて強く思う魅力があります。
それは、
「どんな場所に家を建てても、抜けていく先に景色があること」
視線の先がふっと開ける。
空が見える。
山が見える。
遠くまで続く稜線が、いつもそこにある。
たったそれだけのことなのに、
日々癒され、心がほどけるんです。
だからこそ、山梨で家を建てるときは
「敷地の使い方」がとても大事になります。
同じ土地でも、家の置き方ひとつで
暮らしの景色はまったく変わるから。
どこに窓をつくるか。
どこに庭をひらくか。
どこに“抜け”をつくるか。
敷地の良さを丁寧に引き出せたとき、
その場所が持っている“世界にひとつの魅力”が、ちゃんと暮らしの中に入ってきます。
そして、その魅力を暮らしの真ん中に連れてきてくれるのが、窓の計画です。
きちんと計画された窓から入ってくるのは、ただの光じゃない。
ただの風じゃない。ただの景色じゃない。
春の光は、肌にふれるほどやわらかい。山に散るピンクが、景色を“やさしい色”に変える。
夏の風は、夕方になると急に涼しくなる。窓を抜ける風が、一日の熱をほどいてくれる。
秋の空気は、透明だ。遠くの山まで近く感じて、心が整っていく。
冬の景色は、静かだ。凛とした空気の向こうに、あたたかな暮らしが浮かび上がる。
家の中にいながら、季節と一緒に暮らしている感じがするんです。
五感が整うというか、呼吸が深くなるというか。
「帰ってきた」って思える山梨の家には、そういう空気があります。
山梨って、素敵なところだなぁ。
移住して21年。
いまも変わらず、日々そう感じています。