暮らしのノート 心地好い住まいのヒントを綴ります
視線の抜けが創り出す、光と風と心地好い時間 五味 政重
こんにちは。光と風設計社の五味です。
ドアを開けた瞬間、すーっと奥へと視線が通り抜けていく。
その先に広がる庭の緑や、窓から差し込む柔らかな光を感じたとき、
人は無意識のうちに深呼吸をし、心がふっと解きほぐされるような感覚を覚えます。
住まいにおける「視線の抜け」は、単に空間を広く見せるためのデザイン手法にとどまりません。
それは、外の光を奥まで引き込み、心地好い風の通り道をつくるための、極めて自然で本質的な設計です。
例えば、廊下の突き当たりに開口を設けたり、軽やかなストリップ階段を通して向こう側の景色を見せたりすること。
壁で空間を細かく仕切るのではなく、視線のつながりを意識して空間をレイアウトすること。
そうしたひとつひとつの工夫によって、家の中に開放的なリズムが生まれます。
視線が伸びる場所には、自然と光が巡り、風が届きます。
朝の光が足元を照らす様子や、夕暮れ時の移ろい、吹き抜ける風がもたらす木々の揺らぎ。
そうした季節や時間の変化を家の中にいながら感じられることこそが、暮らしの中に豊かさをもたらしてくれます。
視線がすっきりと抜ける開放的な空間で、光と風の気配を感じながら過ごす。
そんな何気ない日常のひとときが、心を穏やかに整え、毎日の暮らしに深い心地好さと満ち足りた時間を与えてくれるのです。