暮らしのノート 心地好い住まいのヒントを綴ります
老後を見据えて「平屋」ではなく「2階建て」を選ぶ理由 植杉 学
家づくりを検討される方の間で「平屋」を希望する声が年々増えています。
光と風設計社に相談に来てくださる半数近くが平屋を希望されています。
平屋を希望される理由として一番多いのは、やはり「老後の暮らし」。
「年を取ったら2階に上がらなくなる」「老後を考えてワンフロアで完結させたい」という声をよく耳にします。
しかし先日打合せをしたお客様のような真逆の意見もありますので、
これからの家づくりをされる方へ、一つの考え方としてシェアします。
あえて「階段」を暮らしに残すという選択
そのお客様は、老後の生活を考えた上で、あえて「2階建て」や「3階建て」にしたいとおっしゃいました。
理由は、「健康寿命をできるだけ長く延ばしたいから」です。
年を取って足腰が弱くなると、一気に体力が衰えて老け込んでしまう。
だからこそ、日々の暮らしの中で自然に階段を上り下りし、意識せずとも足腰を鍛えられる環境を作りたい、という考え方でした。
老後=バリアフリーという固定観念にとらわれず、日々の移動をそのまま筋力維持のトレーニングに変えてしまう。
この前向きな発想も一つの考え方です。
2階にお風呂を配置するメリット
この「あえて足腰を使う環境を作る」という考え方は、お風呂の配置にも通じる部分があります。
一般的には1階にお風呂を設けるケースが多いですが、あえて2階にお風呂を持ってくる間取りを希望される方もいます。
2階にお風呂を配置する主な理由は以下の通りです。
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1階の居住スペース(リビングなど)を広く確保できる
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2階のバルコニーへの洗濯動線がスムーズになる(昨今バルコニーいらない人が増えています)
この場合も「年を取ってから2階のお風呂に上がれるだろうか」という不安がつきまといますが、
逆を言えば、毎日お風呂のために2階へ上がる習慣そのものが、足腰を丈夫に保つ秘訣になります。
生活動線の中に自然な運動が組み込まれている状態です。
暮らしに合わせた多様な選択肢を
平屋を希望する8割から9割は「老後を考えると平屋が良い」という意見かもしれません。
しかし、今回ご紹介したお客様のように「健康のために階段のある暮らしを選ぶ」というのも、立派な家づくりの選択肢です。
どちらが正解というわけではありません。
大切なのは、自分たちがこれからどんな暮らしを送り、どんな風に年齢を重ねていきたいかだと改めて感じました。
一般的な常識にとらわれず、様々な視点を知ることで、理想の家づくりの可能性はさらに広がっていきます。
これからの住まいを考える際の、ひとつのヒントにしていただければ幸いです。
因みに我が家のお風呂は2Fにあります。